特集 不明熱のカルテ
好中球減少性不明熱
高熱,血球減少,意識障害を認め,緊急搬送となった60代女性の一例
髙橋 佑輔
1
1天理よろづ相談所病院 血液内科
pp.235-240
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2023020017
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
ファーストインプレッション
1 ヵ月以上続く発熱と3 回以上の外来受診歴および精査(胸部X 線,単純CT,尿検査) を行われているが熱源を特定できておらず,古典的不明熱の定義に合致する. 造血器腫瘍,固形がん,重症感染症,自己免疫疾患・自己炎症性疾患を中心に鑑別を考 えるが,一元的に説明できない部分があるため,幅広く鑑別を考える必要がある(A + B のような合併を考える必要もある). 汎血球減少を伴う発熱,進行する意識障害を認めており,重症度は極めて高い.迅速に 必要な検査を行い,早急な治療介入が求められる(検査結果を急ぐ必要があり,検査室と の連携が重要である). 発熱,汎血球減少,意識障害を軸として鑑別疾患を幅広く(一元的に説明できない部分 があってもよいので)想起して迅速に原因検索を行う(表1).
Copyright© 2023 NANZANDO Co.,Ltd. All Rights Reserved.