特集 不明熱のカルテ
院内不明熱
NSAIDs投与後に悪化する頭痛・発熱をきたした30代男性
前沢 めぐみ
1
,
森川 暢
1
1市立奈良病院 総合診療科
pp.242-247
発行日 2023年2月1日
Published Date 2023/2/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2023020018
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ファーストインプレッション
急性~亜急性の経過で生じた頸部に限局したリンパ節腫脹,白血球減少,CRP低値から, この時点では組織球性壊死性リンパ節炎を鑑別の第一にあげた(表1).悪性リンパ腫や キャッスルマン病,結核性リンパ節炎の可能性は残るが,リンパ節生検を即時に行わなけ ればならないほどの状態ではないと判断した.また,組織急性壊死性リンパ節炎と臨床経 過が類似するSLEやシェーングレン症候群,MSMであることや海外渡航歴があることな どから結核や急性HIV感染症の除外は必要と考え,採血に抗核抗体,T-SPOT®などを提出 のうえ,結果を待つこととした.バイタルは安定しており血球貪食の合併などもなかった が,発熱による消耗で食事がとれず倦怠感が強かったため,入院のうえ補液,非ステロイ ド性抗炎症薬(non-steroidal anti-inflammatory drugs:NSAIDs)の定期内服を開始した.
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