オール沖縄!カンファレンス|レジデントの対応と指導医の考えVer.2.0・96
コロナ禍を経て、振り返る。意識障害で搬送された60代男性
与那嶺 克
1
,
永田 恵蔵
1
,
徳田 安春
,
仲里 信彦
2
,
鈴木 智晴
,
佐藤 直行
1沖縄県立北部病院 内科
2なかがみ西病院 内科
pp.87-91
発行日 2025年1月15日
Published Date 2025/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.218880510350010087
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CASE
患者:63歳、男性。
主訴:意識障害。
現病歴:2〜3日前より下痢はあったが、腹痛、嘔吐はなかった。下痢は食事に関係なくあり、1日5行以上だった。1週間以内での鶏肉や生ものの摂取はなかった。来院当日朝、同居する家族が外出する際も問題なく会話でき、普段通りの生活を送っていた。夕方になり家族が帰宅すると呼吸が促迫しており、呼びかけに反応せず、救急搬送となった。患者発見時、周囲に失禁や吐瀉物はなかった。経過中に発熱や悪寒戦慄はなかった。救急隊が接触後、血糖測定を行うと「HI」と表示されたが、インスリン注射の怠薬はなかった。受診2カ月前まで他院で膵臓がんに対して化学療法を受けていた。
既往歴:膵臓がん。膵全摘後、化学療法中(ゲムシタビン+nabパクリタキセル)、高血圧、高尿酸血症、慢性腎臓病
内服歴:エソメプラゾール20 mg/日、バルサルタン80 mg/日、アムロジピン5 mg/日、アロプリノール100 mg/日、メコバラミン1,500μg/毎食後、パンクレリパーゼ900 mg/日。
インスリン:グルリジン;朝昼食前6単位と夕食前4単位、グラルギン;朝食前 6単位。
生活歴:ADL(activities of daily living)は自立。
嗜好歴:喫煙なし、飲酒なし。
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