総合診療医直伝! 糖尿病患者の救急外来診療ABC・3
意識障害+呼吸促迫+アステリキシスで救急搬送された70代男性
徳田 安春
1
1地域医療機能推進機構(JCHO)本部
pp.220-221
発行日 2016年3月15日
Published Date 2016/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415200376
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症例
70代,男性.数年前より糖尿病と慢性腎臓病で通院中.最近,3カ月は多忙にて通院を自己中断していた.数日前より,気分不良と食欲低下,吐き気あり,今朝になって呼びかけの反応が低下したため救急車で搬送となる.喫煙,飲酒なし.救急車内での簡易血糖チェックは200mg/dL.
病院到着時のバイタルサインは,血圧140/90mmHg,脈拍130/分・整,呼吸数29/分,体温36.5℃.SpO2は99%(室内空気).意識レベルはJapan Coma ScaleでⅠ-3.全身外観は不良.呼吸は深く,呼気は尿臭であった,瞳孔は両側径3mmで対光反射は迅速陽性であった.両上肢にアステリキシスを認める(図1).その他,静脈圧,心,肺,腹部,四肢に明らかな異常を認めなかった.
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