総合診療医直伝! 糖尿病患者の救急外来診療ABC・2
意識障害+顔面蒼白+冷汗で救急搬送された70代男性
徳田 安春
1
1地域医療機能推進機構(JCHO)本部
pp.128-129
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1415200351
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症例
70代,男性.数年前より糖尿病で通院中.インスリンの自己注射を導入していた.近所でゲートボール中に気分不良と顔面蒼白あり,その後徐々に呼びかけの反応が低下したため救急車で搬送となる.喫煙歴あり(50年前から1日1箱),飲酒なし.
病院到着時のバイタルサインは,血圧85/70mmHg,脈拍140/分・整,呼吸数21/分,体温35.5℃.SpO2は92%(室内空気).意識レベルはJapan Coma ScaleでⅢ-100(半昏睡).全身外観は不良で顔面は蒼白.全身に冷汗あり.頸静脈怒張あり.心音は整であったが,S3あり.両肺野の呼吸音で,吸気終末のfine crackles(late inspiratory crackles)を認めた.腹部,四肢に明らかな異常を認めなかった.瞳孔は両側径4mmで,対光反射は迅速陽性であった.
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