特集 困ったときの2の手,3の手 今こそ知りたい漢方・鍼灸
使える! 漢方・鍼灸
頭痛編
頭痛に使える鍼灸─薬物を用いづらいときの次の一手─
菊池 友和
1,2
1日本鍼灸理療専門学校
2一般財団法人 東洋医学研究所
pp.56-59
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2023010008
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はじめに
頭痛の診療ガイドライン20211)では鍼灸治療が9つのclinical questionで推奨された.なかでも片頭痛/緊張型頭痛/薬剤の使用過多による頭痛(薬物乱用頭痛)における標準治療のなかで鍼灸治療が,予防/発作期いずれのフェーズにおいても非薬物療法のなかの選択肢の1つとして推奨され,薬剤の使用過多による頭痛においても非薬物療法として期待されている.これは鍼灸治療が頭痛診療のなかで医療として認識されてきていることを示している.しかし,実際に鍼灸治療を選択する場合においては,週に1,2回の頻度で4〜12週通院することを考えると,薬物療法をはじめとしたセルフケアで行うもののほうが,患者視点では優先順位が高いと考えられる. 実際の診療で頭痛患者に鍼灸治療を提供する場合は,薬物療法が第一選択であり,効果が不十分か,多剤併用状態,代謝性の問題で薬剤を出しにくい,または妊娠希望などで薬剤を希望しない場合や薬物の使用過多による頭痛の既往,4週間の頭痛日数が15日以上ある場合の非薬物療法の選択肢として,鍼灸が選択されることが多い2, 3). そこで本稿では実際の患者への鍼灸治療の進め方について述べる.
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