特集 困ったときの2の手,3の手 今こそ知りたい漢方・鍼灸
使える! 漢方・鍼灸
妊娠・産褥期編
産婦人科領域で使える鍼灸─月経随伴症状および骨盤位に対する鍼灸治療─
田口 玲奈
1
1明治国際医療大学 鍼灸学部 鍼灸学科
pp.92-97
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2023010016
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産婦人科診療ガイドラインには月経前症候群(premenstrual syndrome:PMS)に対する鍼灸治療の適応の記載はない.しかし,PMSは多愁訴であり,対症療法で対応することが多いことから鍼灸治療は有効であると考える.ここでは筆者の知見を紹介する. 東洋医学の観点からは,ストレスが原因となる肝鬱気滞やむくみが中心となる脾虚・湿痰,肝鬱気滞の症状に加え食欲不振や腹部膨満感,下痢を生じる肝脾不和などに分類し,証に応じた鍼灸治療を行う.鍼灸治療は,週に1回の治療を3 ヵ月間継続し,症状軽減後は排卵期以降の月経前1回のみ行う.弁証治療で効果が現れない場合は,低周波鍼通電療法(鍼に電気を流す方法)や持続的効果を引き出す置き鍼なども併用する.
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