特集 困ったときの2の手,3の手 今こそ知りたい漢方・鍼灸
使える! 漢方・鍼灸
緩和ケア編
緩和ケアに使える鍼灸─胃切除後の消化管障害に対する鍼灸の応用“灸のすゝめ”─
増山 祥子
1
1森ノ宮医療大学 医療技術学部 鍼灸学科・鍼灸情報センター(MUMSAIC)
pp.74-77
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.15104/th.2023010012
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はじめに
日本緩和医療学会編集による『がんの補完代替療法クリニカル・エビデンス 2016年版』1)において,鍼灸治療に関しては,身体症状の軽減,精神症状の軽減,生活の質(quality of life:QOL)の改善,鍼灸の有害事象,検査や治療で伴う有害事象の軽減,予後の改善の6項目のクリニカルクエスチョンが設定されている.がん患者の術後尿閉,化学療法による悪心・嘔吐,QOL改善については肯定的だが,それ以外に関してはいずれも強いエビデンスは示されていない1).鍼灸全般のランダム化比較試験(RCT)やシステマティックレビュー,メタアナリシスなどの研究報告数は増えてきたが,プラセボを完全に除外した比較試験が実施できないという鍼灸の特性があるため,診療ガイドラインで採用されにくいのが現状である.
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