薬語図鑑-基礎薬学用語を現場で使える知識に訳してみました 第2部 臨床現場で見聞きする用語編
精神
31 パーシャルアゴニスト(ドパミン受容体部分作動薬)
-第二世代(非定型)抗精神病薬のプロファイル
中村 友喜
1
1三重県立こころの医療センター診療技術部薬剤室 室長
pp.674-675
発行日 2023年3月31日
Published Date 2023/3/31
DOI https://doi.org/10.15104/ph.2023040089
- 有料閲覧
- 文献概要
- 参考文献
ドパミン受容体部分作動薬(DPA)の作用
アリピプラゾール,ブレクスピプラゾールは,D2 受容体を部分的に刺激して作用する,ドパミンのパーシャルアゴニストです.そのため,ドパミンのはたらきが活発な中脳辺縁系神経路ではD2 受容体に作用してドパミンのはたらきを抑えて陽性症状を改善します.一方,ドパミンのはたらきが低下している中脳皮質神経路などでは,ドパミンのはたらきを高め,陰性症状を改善します(図).また,D2 受容体の部分作動薬であることから黒質線条体神経路や漏斗下垂体神経路ではドパミン神経系が過剰に遮断されないため,EPS や高プロラクチン血症などの副作用が発現しにくくなります.
Copyright© 2023 NANZANDO Co.,Ltd. All Rights Reserved.