薬語図鑑-基礎薬学用語を現場で使える知識に訳してみました 第2部 臨床現場で見聞きする用語編
精神
29 統合失調症と神経伝達物質
-統合失調症の患者の脳では何が起こっているのか?
三輪 高市
1
1鈴鹿医療科学大学薬学部 教授
pp.670-671
発行日 2023年3月31日
Published Date 2023/3/31
DOI https://doi.org/10.15104/ph.2023040087
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統合失調症の発症機序は,いまだ十分に証明されていません.最も広く知られている発症機序仮説は,脳のドパミン神経系の機能調節不全が原因であるとする「ドパミン仮説」です.今でも「仮説」の域を抜け出していませんが,現在使用されている抗精神病薬(統合失調症の治療薬)はすべてドパミン受容体に拮抗・遮断作用をもつ薬剤です.抗精神病薬が実際に治療効果をもつことから,ドパミンが統合失調症の症状発現に大きく関与していることは間違いないようです.
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