薬語図鑑-基礎薬学用語を現場で使える知識に訳してみました 第2部 臨床現場で見聞きする用語編
代謝
11 糖尿病性ケトアシドーシス
-命にかかわるケトアシドーシスを防ぐためにできることは?
彦坂 麻美
1
1成田記念病院薬局
pp.630-631
発行日 2023年3月31日
Published Date 2023/3/31
DOI https://doi.org/10.15104/ph.2023040069
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ケトアシドーシス
ケトアシドーシスとはケトン体の蓄積により体液のpH が酸性に傾いた状態です.体内に存在するケトン体にはアセトン,アセト酢酸,β- ヒドロキシ酪酸があります.ケトン体は,糖尿病や高脂肪食,絶食(または飢餓),運動,アルコール多飲,外傷や大手術など,エネルギー補給のためにブドウ糖や,グリコーゲンのような糖質ではなく脂質が利用された場合に,脂肪細胞の分解により肝臓で産生され,エネルギーとして利用されます.一方でアセト酢酸,β- ヒドロキシ酪酸は強い酸性であるため蓄積すると体は酸性に傾き,ケトアシドーシスという命にかかわる状態になります.
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