今月の主題 酸塩基平衡の実際
酸塩基平衡異常の臨床・その他
糖尿病性ケトアシドーシス
平田 幸正
1
1束女医大糖尿病センター
pp.1500-1501
発行日 1979年10月10日
Published Date 1979/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216079
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はじめに
糖尿病性ケトアシドーシスは"simple"アシドーシスであるという1).理由は,唯一の基本的原因,すなわち脂肪分解の促進によるケト酸(βヒドロオキシ酪酸とアセト酢酸)の産生増加によってもたらされるからであるという.この現象はインスリン作用の不足によるものであることから,インスリン供給不足という原因によって起こる"always secondary"な病態であるともいう1).なお,インスリン不足は高血糖と浸透圧利尿を起こし,水と電解質の排泄促進,脱水を生ずる.治療は,ケトアシドーシスを起こす原因疾患の治療とともに,上記代謝の異常の是正を目的とする.
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