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要旨
目的
喘息歴のある母親の就学に向けた子どもへの思いと関わり、小児気管支喘息をもつ子どもへの思い、子どもの療養行動に対する認識、子どもの症状や治療に対する認識を明らかにし、同じ疾患をもつ子どもへの就学に向けた関わりに対する看護援助の示唆を得る。
対象と方法
T県内の総合病院に通院している小児気管支喘息と診断されている4歳以降の未就学患児をもつ喘息歴のある母親3名に対し、30分〜40分程度の半構造化面接を行い、質的帰納的に分析をした。
結果
喘息歴のある母親の小児気管支喘息をもつ子どもへの思いは、〈発作が起きることや発作時の対応を心配〉などの6サブカテゴリー、子どもの療養行動に対する認識は、〈子どもは毎日薬が必要であることを分かっている〉などの4サブカテゴリー、子どもの症状や治療に対する認識は、〈風邪と喘息の症状は似ている〉〈喘息と風邪の咳嗽の違いが分かる〉〈子どものうちから薬を飲み続けると依存してしまう〉などの8サブカテゴリーを抽出した。子どもの症状や治療に対する認識を見ると、喘息という診断に疑問を感じている母親と受け入れている母親がいた。就学に向けた子どもへの思いと関わりは、就学後の願いや小学校での発作の心配があり、就学はまだ先のことのため教えていない母親と、保育園で周りの人に助けを求められるように教えている母親と、就学に向けて今から自分で対処ができるように具体的に教えている母親がいた。
結論
1.就学に向けた子どもへの思いと関わりは、子どもの年齢や母親の経験と知識によって三者三様であることが明らかとなった。
2.喘息歴のある母親に対して、経験や知識とともに考えや気持ちに寄り添い、疾患管理の継続ができる支援と母親の就学に向けた思いと就学までの期間に合わせて、子どもの発達段階や気持ちに沿った関わりができる支援が必要であることが示唆された。
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