Japanese
English
調査
軟骨無形成症患者の社会生活―就学・就職状況に関するアンケートおよび社会生活能力検査
Social activities in Japanese patients with achondroplasia: Questionnaire about education and occupation, and social maturity Scale.
芳賀 信彦
1
,
滝川 一晴
1
,
中村 茂
2
,
岩谷 力
3
Nobuhiko Haga
1
,
Kazuharu Takikawa
1
,
Shigeru Nakamura
2
,
Tsutomu Iwaya
3
1静岡県立こども病院整形外科
2帝京大学医学部整形外科学教室
3東北大学大学院障害科学肢体不自由学分野
1Department of Pediatric Orthopedics, Shizuoka Children's Hospital
2Department of Orthopedic Surgery, Teikyo University School of Medicine
3Section of Rehabilitation Medicine for the Physically Disabled, Tohoku University Graduate School of Medicine
キーワード:
軟骨無形成症
,
低身長
,
就学
,
就職
,
社会生活能力
Keyword:
軟骨無形成症
,
低身長
,
就学
,
就職
,
社会生活能力
pp.1147-1150
発行日 2001年12月10日
Published Date 2001/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552109646
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はじめに
軟骨無形成症は,四肢短縮型の低身長を示す代表的な骨系統疾患で,15,000~40,000出生に1人の発生率である.遺伝形式は常染色体優性遺伝だが,90%以上が散発例である.本症は低身長の他,特徴的な顔貌,三叉手,脊柱の彎曲異常,脊柱管狭窄,O脚,筋低緊張,中耳炎,咬合異常などを合併する1,2).本症では,線維芽細胞増殖因子受容体3型の遺伝子変異が判明しているが,根本的な治療法はない.低身長に対しては近年,脚延長手術や成長ホルモン投与が行われている.日本人の無治療本症患者の17歳9か月時の身長は,男児130.4cm,女児124.0cmと推定されている3).
本症患児の発達について,運動発達は遅れるが精神発達は正常であることは知られており4-7),また言語発達については正常という報告7)と遅れるという報告4)ある.これらは主に幼児期までの報告であり,就学年齢以降の実際の社会生活に関する報告は少ない.
そこでわれわれは,日本人本症患者の社会生活について明らかにする目的で,就学・就職状況に関するアンケートおよび社会生活能力検査を行った.
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