保健活動—心に残るこの1例
障害をもつ子どもたちの就学を共に考える
石川 栄子
1
1福島県郡山保健所
pp.216
発行日 1993年3月15日
Published Date 1993/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900772
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私は,これまでの職場でも,口蓋裂の子供さんや脳性マヒの子供さんとの出会いの中から,お母さん方が悩みながらも親子ともに前向きに一生懸命生きていく姿をみつめさせて頂きました.今の職場へ転勤してきた年の夏頃でした.教育委員会の方から,障害をもつ子供たちが,適切な就学をするために情報がほしいと働きかけがありました.保健と教育という立場の違い,秘密保持という壁があり,情報を提供することさえ簡単にできることではありませんでした.しかし,乳幼児からかかわって支援してきた子供たちが,“適切な就学をして卒業後も安定した生活をおくるための支援ができるのなら”との思いがあり,試行錯誤の中で,12月に保健所保健・福祉サービス調整推進事業の処遇検討部会として,就学前の子供たちの会議を開催しました.保護者の了解を得た21例のケースについて,今までの経過と就学への親の要望などを担当保健婦より報告し,保健・教育・福祉・医療の関係者で検討しました.
プラダーウィリー症候群のAちゃんは,3歳児健診後に訪問したケースでした.生後まもなくから哺乳力が悪く,入退院を繰り返していました.
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