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要旨
目的
キャリア充実期の助産師における就業継続過程での就業継続意思を明らかにし、記述する。
対象と方法
半構造化面接で経験年数20年前後の助産師15名を対象にした。データはM-GTAで分析した。本研究はA大学倫理委員会の承認を得て行った。
結果
キャリア充実期にある助産師における就業継続過程における就業継続意思は、15名の語りから6つのカテゴリーと24の概念が抽出された。研究協力者ら全てに【決してあやふやではない職業選択動機】があり、新人時代は【どんなストレスも今思えば全てが糧】となった。医療者同士の人間関係から【切磋琢磨しながら育む助産師魂】を培い、育児と仕事の両立においては【葛藤を通して体得したワークライフバランスの知】を得て、就業継続のアウトカムとして妊産婦との信頼関係などを含む【貯蓄したキャリアが財産】に繋がった。
やがてそれぞれが助産師としての在りよう【今後も大切にしたい私なりの助産道】を歩むことになるが、知識、技術の更新のためには余念がなかった。
考察
キャリア充実期にある助産師は、強い職業選択動機は使命感や自己実現などにより、その後を乗り切る原動力となったと推察する。常にロールモデルである先輩助産師や上司、医師などとの人間関係を通して、助産師のアイデンティティが強化され、就業継続意思に繋がったと考える。やがて助産師としての就業継続のアウトカム、妊産婦との信頼関係や得意分野ができると更新の必要性を実感したことが窺える。また出産・育児は、上司や同僚の理解を得て、葛藤しながらも就業継続できた結果、助産師のキャリアに貢献することが窺えた。キャリアが蓄積し、将来展望が見え、助産師としてのキャリアデザインも見いだせた。
結論
キャリア充実期にある助産師の就業継続意思は、明らかな職業選択動機を始点とし、就業継続意思がある限りは個人の状況に応じて働き続け、自己研鑽には終わりがないという過程が明らかとなった。
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