Japanese
English
報告
産褥期に母親が抱える不安—入院中と退院後の不安の変化
The Anxiety of The Mother in The Postpartum: Changes in The Anxiety after Hospital Discharge and In-Hospital Stay
高橋 愛美
1
,
齋藤 益子
2
,
渡邊 知佳子
3
Manami TAKAHASHI
1
,
Masuko SAITO
2
,
Chikako WATANABE
3
1社会福祉法人聖母会聖母病院
2帝京科学大学医療科学部看護学科
3首都大学東京健康福祉学部看護学科
1Seibo International Catholic Hospital
2Department of Nursing, Teikyo University of Science
3Division of Nursing, Faculty of Health Sciences, Tokyo Metropolitan University
pp.103-110
発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7011200058
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目的
産褥期の母親が入院中と退院後に抱える不安から退院前後の不安の様相を明らかにする。
方法
2012年5月〜7月に東京都内のA大学病院で出産し、母児ともに正常に経過した母親6名を対象とし、産褥4日目と退院後早期の家庭訪問にて半構造化面接を行った。面接内容は、現在の心身の状態、不安などとした。
結果
母親が抱える不安は、「母親自身に関すること」、「児に関すること」、「夫や家族に関すること」、「育児技術に関すること」の4つの項目が抽出できた。児に関して、入院中は漠然としていたが、退院後には「体重増加」、「皮膚状態・湿疹」、「鼻閉」など具体的な不安を挙げていた。また、それらの不安は入院中から退院後に共通するものもあった。入院中の「母親自身」や「夫や家族」に関する不安は、母親の性格や背景、家族構成により異なっていた。また、退院後については、家族のサポートの違いから不安の内容や程度は異なっていた。「育児技術」に関する不安は授乳や沐浴などであった。授乳については直接母乳の技術を獲得することによって不安が軽減した母親もいた。
考察
退院後、具体的になった不安に関しては、助産師が入院中から退院後の生活を見据えた指導を行う必要がある。また、夫や家族など支援者の育児も不安に影響するため、助産師は母親の家族関係や背景を理解し、世代間で異なる育児を理解し、支援することが大切である。
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