Japanese
English
報告
助産所で出産した母親の自己変容プロセス
The Self-Transformation Process of Mothers Who Gave Birth at Practicing Maternity Homes
鈴木 祐子
1
Yuko SUZUKI
1
1東都医療大学
1Tohto College of Health Scienc
pp.95-102
発行日 2016年2月1日
Published Date 2016/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7011200057
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目的
助産所で出産した母親は、支援を受けることで児に対してどのような認識を形成し、母親としての自己概念をどのように変容させるかのプロセスを明らかにすることとした。
方法
質的帰納的研究デザインである。研究対象者は、病院での出産経験を持ち、今回助産所で出産した母親4名と母親の出産後のレビューカード(1999〜2015年)84人分である。助産所で参与観察した支援場面のフィルドノートなどもデータとした。データの分析方法は修正版グラウンデット・セオリー・アプローチの分析枠組みとした。
本研究は、国際医療福祉大学倫理委員会の承認「13-Io-71号」を得ての実施である
結果
母親の言葉は()概念は【 】カテゴリーは< >コアカテゴリーは『 』とした。
【自分の力を出し切れる体験】【互助精神の実感】【自己開示していく中での人間関係形成】【人を大切にする関わり】【他者との一体感を生みだす出産体験】【生まれ出ようとするエネルギー】【幸せ体験】【成功体験による自己肯定につながる自己認識の形成】【自分の感情をコントロールする力】【助産師との疑似母子関係】【親として人間関係構築力の形成】など11の概念生成をし、カテゴリーとして5つのカテゴリーが導き出された。<自然への希求><家族の対応能力の発現><出産の意義><人間関係の再構築><身体感覚として感知する児の存在>であり、『自己からの開放と育ち直し』がコアカテゴリーとなった。
結論
開業助産師と母親は「疑似母子関係」を築くことにより、『自己からの開放と育ち直し』ができたことで新たに家族関係を含め人間関係が構築しやすくなるという結論を得た。
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