連載 日常看護のブラッシュアップⅡ 改良と変革・5
遠くても安心-退院後の不安にも応えます
小沼 康子
1
,
菅谷 裕美子
1
,
香取 秀則
1
,
根本 麗子
1
,
北川 洋子
1
1千葉県立佐原病院
pp.498-503
発行日 2003年5月1日
Published Date 2003/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661100722
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治療成績が医療の質の指標とされている現在,患者は良い医療を受けたいと,専門病院を選ぶようになりました.その情報収集手段として,インターネットの活用が一般化しています.
当院の患者は,以前は佐原市とその周辺の方がほとんどでしたが,ここ3-4年は,当院外科での,肝臓・胆道系・膵臓の専門的治療内容をインターネットで知り,千葉県内でも遠くから,また県外から訪れる患者も徐々に増加する傾向にあります.しかし,遠方ゆえに,看護師として退院後の患者の状態,生活状況を把握する機会が少なく,情報が得られないことから継続看護に問題を感じていました.
一昨年入院したKさんは,当院から80kmの遠方に自宅がありました.ターミナル期に入った際,在宅療養を希望する家族の意向を尊重し,カメラ付き携帯電話の電子メールやパソコンの電子メールを活用し,不安の軽減を図り,家族の支援をすることができました.私たちも,これらの新しい手段での継続看護に充実感を見出すことができました.この経験を生かし,患者が選択可能な情報交換システムを構築しました.
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