特集 精神疾患をもつ女性の周産期ケア
不安を抱える妊産婦に対応するときには
江藤 かをる
1
1エデュネット協会
pp.133-137
発行日 2003年2月1日
Published Date 2003/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1665100466
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出産後に注意
岡崎祐士,磨田みどり氏によると,既婚女性の出産後の精神病発現率は,出産に関わりのない発現率の1.8倍である。精神病の中でもうつ病が特に発現が多いということ,また,両氏は,産後1か月以内での発現が他の時期より圧倒的に多いという指摘をしている。出産関連の精神障害で入院を要する重症例は,0.1%から0.3%である1)。
筆者は,医療の専門家ではないが,一般的に判断するならば助産師が遭遇する精神疾患患者は,①精神疾患があるが薬などで症状をコントロールして出産に望んだ患者,②精神疾患因子を元々持っており出産を機に精神疾患が発現した患者,③因子はないが出産が契機となり精神疾患を発現した患者,④精神疾患ではないが出産により精神が極度に不安定になり精神科的ケアが必要となった患者など,精神疾患といってもいくつかのタイプに分類することができるだろう。
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