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特集 「高齢者の生き方や人生を尊重した意思決定支援とアドバンス・ケア・プランニング(ACP)を支える看護師の役割」
認知症高齢者の意思を支える
Supporting the Will of the Elderly with Dementia
高梨 早苗
1
Sanae Takanashi
1
1国立研究開発法人国立長寿医療研究センター,老人看護専門看護師
1National Center for Geriatrics and Gerontology/Certified Nurse Specialist in Gerontological Nursing
pp.17-23
発行日 2020年7月31日
Published Date 2020/7/31
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- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
Ⅰ.はじめに
2019年高齢化率が過去最高の28.4%となり,今後2025年には30.3%,2050年には38.8%と増加傾向と推測されている(図1).現在,前期高齢者と後期高齢者の割合がほぼ1:1となっているが,今後,後期高齢者の割合が増加する.これは,認知症罹患率が増えること(図2),また,受療率が高くなり,要介護状態の人が増え,多死社会になることを意味している.
人は何らかの慢性疾患に罹患すると,治療,生活の過ごし方や場所について,といったさまざまなことを決定していく.認知症疾患の多くは進行性で認知機能障害が出現し,意思表出や意思決定が難しくなることが多いため,意思決定が必要な場面で本人だけでなく,家族や医療者,介護者といった周りの人々も悩むことが多い.
筆者が所属する国立長寿医療研究センターのEnd-of-Life(EOL)ケアチームの活動について紹介し,実践例を踏まえて「認知症高齢者の意思を支える」について考えたい.
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