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特集2 「認知症ケアのトピックス」
一般病院において認知症高齢者の意思表示をどう支えるか
How We Can and Should Help Persons with Dementia to Express Their Thoughts in the Setting of General Hospital
伊東 美緒
1
Mio Ito
1
1東京都健康長寿医療センター研究所
1Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology
pp.38-43
発行日 2019年1月31日
Published Date 2019/1/31
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- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
1.認知症の人の意思表示を重視する動向
2018年6月に厚生労働省は,『認知症の人の日常生活・社会生活における意思決定支援ガイドライン』(厚生労働省,2018)を策定した.認知症の人の特性を踏まえた意思決定支援の基本原則として,①本人の意思の尊重,②本人の意思決定能力への配慮の2つが挙げられており,②の本人の意思決定能力の配慮の説明として,“認知症の症状にかかわらず,本人には意思があり,意思決定能力を有するということを前提にして,意思決定支援をする”ということが述べられている.これは,ケア方針の決定方法についての認識を変革するためにたいへん重要な記述であり,認知症の人の意思決定能力に対するわれわれの考え方を変革すべき時期にきていることを示唆している.
認知症がどれほど進行しても本人には意思がある.そして言語で表現することが困難であっても,意思を示す表現はあり,その表現を注意深く観察し,言語化し,共有することが,治療やケアの方針を転換することにつながる.ベッドサイドで最も長く関わる看護師や介護職員には,認知症高齢者の非言語的表現を言語化し,共有する役割が求められている.
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