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日本老年看護学会設立20周年記念特集「未来への提言」 日本老年看護学会会員の立場から
老人看護専門看護師の立場から
My opinion as a Certified Nurse Specialist in Gerontological Nursing
高梨 早苗
1
Sanae Takanashi
1
1国立長寿医療研究センター看護部
1Department of Nursing, National Center for Geriatrics and Gerontology
pp.75-80
発行日 2015年6月30日
Published Date 2015/6/30
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- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
1.はじめに
今年(2015年),団塊世代の人々が前期高齢者となり,10年後の2025年には後期高齢者となっていく.2014年の高齢化率が過去最高の25.1%となり,2025年には30.3%,2050年には38.8%と増加傾向と推測されている(図1).現在,前期高齢者と後期高齢者の割合がほぼ1:1となっているが,今後後期高齢者の割合が増加する.後期高齢者が増えるということは,受療率が高くなり,要介護状態の人が増え,多死社会になるということである.
わが国の平均寿命は男性80.21歳,女性86.61歳(厚生労働省,2014),健康寿命は男性70.42歳,女性73.62歳(内閣府,2013/図2)であり,人生最後の約10年間は要介護状態で生活を送っていることが分かる.要介護状態で他人の世話になりながら生活することに満足している人がどれくらいいるであろうか.老化による変化から人の力を借りることもあるが,できる限り自分の力で何とかしたいと思っているのではないかと思う.この要介護状態の期間を減らす,健康寿命を延伸する取り組みが重要であると考える.
今回,老人看護専門看護師の立場から2025年に向けて,健康寿命の延伸への取り組みと高齢者のエンド・オブ・ライフ・ケアについて,現在取り組んでいることを紹介し,今後なにをすべきか考えていきたい.
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