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日本老年看護学会第22回学術集会特集 シンポジウム 老年看護学における国際研究
認知症をもつ高齢者のケアとEBPをつなぐシステマティックレビュー研究
Systematic Reviews for Bridging Evidence and Dementia Care Practice
今野 理恵
1
Rie Konno
1
1関西国際大学保健医療学部看護学科
1Department of Nursing, School of Health Sciences, Kansai University of International Studies
pp.22-24
発行日 2018年1月31日
Published Date 2018/1/31
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- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
本稿ではシンポジウム発表の補足として,近年,注目を集めているSR(Systematic Review)の方法論的特徴と,EBP(Evidence-Based Practice)におけるSRの役割を踏まえ,老年看護学分野におけるSRの例を紹介する.
EBPという語がヘルスケアで使用され始めて久しい.しかし,真の意味でのEBPの実現にはSRが必須であることは,広く認知されているとは言い難い.SRはこれまで看護学や他の学問分野で主流だった叙述的文献レビュー(Narrative ReviewやTraditional Reviewともよばれる)とはその目的が大きく異なる.日本語,英語を問わず,毎月膨大な数の学術論文が発表されるが,研究により結果が異なる報告がなされる場合も多く,実装に値するエビデンスの判断は容易ではない.SRはこうした実践家や政策決定者のジレンマを解消するべく開発されてきた文献研究方法論であり,あるテーマについて数多く発表されている研究論文を総括するとなにがいえるのか,「ベストエビデンス」を導き出すことを目的とする.SRが最も必要とされるのは,現場でケア介入の選択に迷う場合や,クリニカルマニュアルやガイドライン作成の場面である.また,政策決定者の視点からは,限られたヘルスケア予算の効果的な分配のための情報として,いまやSRは必須である.
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