日本老年看護学会第10回学術集会特集 シンポジウム
認知症高齢者が医療を受ける場面での倫理の課題
諏訪 さゆり
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1誌知症介護研究・研修東京センター
pp.30-33
発行日 2006年3月15日
Published Date 2006/3/15
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はじめに
認知症高齢者の医療においては,①自律尊重原則(自律的な患者の意思決定を尊重せよ),②無危害原則(患者に危害を及ぼすのを避けよ),③善行原則(患者に利益をもたらせ),④正義原則(利益と負担を公平に配分せよ),という4原則に則って,倫理的判断がなされていかなくてはならない.しかし,認知症高齢者に対する医療倫理,すなわち認知症高齢者の医療における倫理的判断はこれらの4原則に基づいて行われていないという現状がある.われわれはその事実を認めることから,あらたにスタートを切る必要があるのではないだろうか.
本稿では,認知症高齢者の医療における倫理的判断の現状の事実をあげながら,なぜ治療を必要としている認知症高齢者の医療倫理に課題が山積しているのかについて論じていく.
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