連載 病床環境理解のための12の課題・23
入院生活における意識と行動
課題12:医療を受ける患者の心理(後編)
川口 孝泰
1
1兵庫県立看護大学
pp.154-157
発行日 1997年2月25日
Published Date 1997/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903791
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入院患者の「病院だから仕方ない」意識
病室を患者の療養の場として改善・調整するためには,実際に入院生活をしている患者の意見を聞くことが重要となる.これまでにも筆者は,入院患者に対して質問紙調査や聞き取り調査を通して,療養の場としての病室に対する意見を聞いてきた.しかし入院患者たちは,前編で述べたような医療観を背景にもっているがゆえに,なかなか本音をいわないのが実情である.
そこで筆者は,なるべく本音を聞きだそうと,病室の改善欲求の意識に関する調査項目の中に「病院だから仕方ない」という回答項目を加え,入院中の患者165名に対して意識調査を行なった1).調査項日は,表1に示すような,入院生活における物理的環境への欲求10項目,心理・社会的環境への欲求10項日の合計20項目である.
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