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連載 遺伝カウンセリング――その価値と今後・Vol.4
遺伝医療における倫理的課題
Ethical challenges in genetic medicine
津幡 真理
1
Mari TSUBATA
1
1東北大学病院遺伝子診療部
キーワード:
生命倫理
,
医療倫理
,
臨床倫理
Keyword:
生命倫理
,
医療倫理
,
臨床倫理
pp.293-298
発行日 2023年10月28日
Published Date 2023/10/28
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28704293
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◎遺伝医学の進歩はめざましく,遺伝学的検査の技術の向上により新たな原因遺伝子の発見や病態解明が進み,治療法開発が行われている.遺伝学的検査およびその結果に基づいて,治療方針や予防医療につながるなど,臨床的および遺伝医学的に有用な情報となりうる大きな利点がある一方で,遺伝情報が持つ不変性,共有性,予測性,あいまい性という特性によって生じるさまざまな倫理的・法的・社会的問題も存在する.社会全体で遺伝医療における倫理的課題について理解し,より一層議論を深めていくこと,一般社会への遺伝教育の重要性と多様性の理解が進むことが望まれる.また,今後,日本においても早急な法整備や遺伝・ゲノムについての正しい意識の啓発活動を推進していくことは,多様性の理解促進において重要である.
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