Japanese
English
研究と報告
要介護高齢者における転倒恐怖感に関連する因子の検討
A study of factors associated with fear of falling among frail elderly.
高井 逸史
1
,
杉田 士
2
,
井上 健太郎
3
,
高井 由起子
4
Itsushi Takai
1
,
Tsukasa Sugita
2
,
Kentarou Inoue
3
,
Yukiko Takai
4
1大阪物療専門学校理学療法学科
2介護老人保健施設華リハビリテーション科
3寺田万寿病院リハビリテーション科
4関西学院大学教育学部
1Department of Physical Therapy, Osaka Butsuryo College
2Department of Rehabilitation, Nursing Home Hana
3Department of Rehabilitation, Teradamanju Hospital
4Department of Education, Kwansei Gakuin University
キーワード:
要介護高齢者
,
転倒恐怖感
,
自己効力感
Keyword:
要介護高齢者
,
転倒恐怖感
,
自己効力感
pp.893-898
発行日 2011年9月10日
Published Date 2011/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102209
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要旨:〔目的〕転倒に対する自己効力感の低下(以下,転倒恐怖感)は社会参加を制限し,転倒の危険因子にもなりうる.そこで地域在住の要介護高齢者を対象に,転倒恐怖感に関連する要因を身体面,精神面,認知面から検討し,分析した.〔方法〕対象は屋内独歩可能な要介護高齢者45名で(男性9名,女性36名,81.8±6.0歳),転倒しないという自己効力感(Fall Efficacy Scale;FES),握力,5m歩行時間,Functional Reach Test,うつ傾向,注意力,認識誤差を測定した.FESと各項目との相関関係,自己効力感を「強い群」と「弱い群」2群に分け,比較を行った.〔結果〕自己効力感との関係について,うつ傾向,認識誤差は負の相関関係,注意力では正の相関関係が認められた.〔結語〕転倒歴があるほど転倒恐怖感が大きくなり,うつ傾向が示唆される.また,うつ傾向による注意散漫のほか,転倒に対する過度の不安感により,認識誤差との関連性が示唆されたと思われる.
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