Japanese
English
研究ノート
転倒による大腿骨頸部骨折患者の転倒体験と回復過程に沿った生活の再構築の捉え方
Fall Experiences of Patients with Hip Fracture by Falling, and Reception of Restructuring of Life on Recovery Process
伊藤 靖代
1
,
泉 キヨ子
2
,
平松 知子
2
,
正源寺 美穂
2
Yasuyo Itou
1
,
Kiyoko Izumi
2
,
Tomoko Hiramatsu
2
,
Miho Shogenji
2
1鳥取大学医学部保健学科
2金沢大学大学院医学系研究科
1Department of Fundamental Nursing, Faculty of Medicine, Tottori University
2School of Health Sciences, Faculty of Medicine, Kanazawa University
キーワード:
転倒
,
大腿骨頸部骨折
,
回復過程
,
生活の再構築
,
fall
,
hip fracture
,
recovery process
,
restructuring of life
Keyword:
転倒
,
大腿骨頸部骨折
,
回復過程
,
生活の再構築
,
fall
,
hip fracture
,
recovery process
,
restructuring of life
pp.70-76
発行日 2006年3月15日
Published Date 2006/3/15
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
本研究の目的は,転倒により大腿骨頸部骨折を起こした患者がどのような転倒体験をし,生活の再構築をどのように捉えながら回復過程をたどっていくのかを明らかにすることである.転倒による大腿骨頸部骨折で観血的治療を受けた患者10名を対象とし,術後の身体状態が安定した時期から退院が決定するまでの間に,半構成的面接を1名の対象につき2ないし3回行った.質的帰納的方法を用いて分析し,以下の結果を得た.
大腿骨頸部骨折に至った転倒体験として,【衝撃と危機感を生じる】【日常のすきをつく出来事】【ひとつの経験として意味づける】の3つのカテゴリーを見出した.
生活の再構築の捉え方は,≪Ⅰ訓練期に身体的回復を自覚し,生活の再構築へ向けて徐々に自信をつけていき退院に至った≫≪Ⅱ身体的回復は自覚していたが,生活の再構築への自信がもてないまま退院となった≫≪Ⅲ身体的回復が緩徐であり,それを自覚していたために生活の再構築への自信がもてないまま退院となった≫の3パターンに分類された.
以上の結果から,患者の身体的回復だけにとらわれず,生活の再構築に対する自信を回復過程の早い段階で把握し,自信をもっていけるよう援助する必要性が示唆された.
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