研究活動推進委員会資料:第8回学術集会におけるインフォメーション・エクスチェンジ報告
実習を受ける施設の立場から
矢部 弘子
1,2
1聖隷クリストファー大学
2前老人保健施設蓮根ひまわり苑
pp.90-92
発行日 2004年3月15日
Published Date 2004/3/15
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- 文献概要
1.高齢者施設の実習,研修の実態
昨年1月まで,都内にある老人保健施設で看護職と兼務で教育企画担当をし,資料1に示した大部分について教育的関わりをしていた(資料1).その体験を踏まえて,施設の現状と看護学の実習についての私見を述べる.
資料は高齢者施設が受ける代表的な実習であり,筆者が受けていた実習と,老人保健協会で出された実習指導マニュアルとを合わせて表にしてある.高齢者施設では日々さまざまな職種,さまざまなレベルの実習を受けている.ホームヘルパーや介護福祉士の実習は厚生労働省によって指針が出されているが,社会福祉士や看護師は学校によって,また実習科目によって目的や目標が異なっている.実習によって目的や方法などが異なることを現場職員は熟知していないのが現状である.職員の数にゆとりはないのが普通であり,ユニット形式のケアが行われているところでは,1単位の職員の数が分散し,職員の数は少なくなっている.施設職員の勤務形態は複雑であり,日勤の時間帯に同じ実習担当者がいるとは限らない.実習内容や目的目標などを,職員全体に周知徹底することは難しい.実習を施設に任せてしまうと,目的目標を目指した実習の実施が難しいことがある.
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