日本老年看護学会第7回学術集会特集 シンポジウムA
情報社会における老年看護の可能性
情報社会における老年看護の可能性
深谷 安子
1
,
森田 夏実
2
1東海大学健康科学部看護学科
2慶應義塾大学看護医療学部
pp.9-10
発行日 2003年3月15日
Published Date 2003/3/15
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- 文献概要
高度情報社会と言われるようになって久しくなります.保健,医療,福祉の分野においても住民・患者ニーズは多様化,個性化が進み,これまでの一方的に与えられる情報から随時自分にとって必要な情報を選択する時代になってきました.
そのためには「欲しい情報」を「必要な量」だけ「適切な手段・表現方法」で「必要な時」に入手または提供できることが重要となります.その手段としてIT(inteligent technology)の有効活用が推奨されていますが,旧厚生省は平成7年に保健・医療・福祉分野における情報化実施指針として,保健情報ネットワーク(保健所や市町村保健センターを中心とした保健指導,育児相談,健康情報など),医療情報ネットワーク(遠隔医療技術や医療機関のインテリジェント化など),福祉情報ネットワーク(福祉機関の情報ネットワーク化と福祉業務の情報処理システムの導入など)といった3つの情報ネットワーク化を打ち出しました.医療機関の中で,在宅ケアの場で,IT化はこのようにどんどん拡大されつつあります.特に在宅ケアにおいては多くの機関や職種が1人の高齢者に関わるため,効率的で一貫性のあるケアを提供するには,迅速でタイムリーな情報の共有化も必要となります.しかし反面,住民・患者におけるプライバシーの侵害,人間性の疎外,過剰な情報入手による混乱や過信等といった情報社会の弊害や問題点も指摘されています.
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