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日本老年看護学会第11回学術集会特集 会長講演
高度医療化時代における老年看護の可能性
Possibility of Gerontological Nursing in the Advanced Medical Treatment
水野 敏子
1
1東京女子医科大学
pp.4-8
発行日 2007年3月15日
Published Date 2007/3/15
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- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
医療の高度化に伴い,侵襲的手術や治療を受ける高齢者が多くなっています.加えて,在院日数の短縮化により医療依存度の高い患者が,早期に退院するようになり,在宅ケアのいっそうの充実が求められるようになってきました.さらには,医療の選択肢が多くなるにしたがい倫理的問題も生じるようになりました.このような状況のなかで看護職への期待は大きく,その力を大いに発揮できる時代を迎えています.まさに超高齢社会は看護の時代といえます.
一方高齢社会は多死社会でもあり,終末期ケアは老年看護において取り組むべき大きな課題であります.高齢者の最後の迎え方は次世代の人々のモデルとなります.次世代のモデルとなるように看護を実践することによって社会貢献ができると考えます.厚生労働省は高齢者の終末期を在宅,あるいは施設で迎えることを推進しています.医療が高度になり病態の悪化時に入院治療し,危機を乗り越え自宅に戻る高齢者も多くいることから,慢性的な疾患を抱える高齢者は入退院を繰り返しながらできるだけ自宅で過ごし,最後は病院で亡くなることがあってもいいのではないかと考えます.
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