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資料
在宅高齢者と施設高齢者の主観的幸福感に関する一考察
A Study of the Subjective Feelings of Well-Being Among Elderly People Living in Their Own Houses and in Centers for the Aged
渋谷 菜穂子
1
,
水溪 雅子
1
Naoko Shibuya
1
,
Masako Mizutani
1
1名古屋大学医学部保健学科
1Nagoya University School of Health Sciences
キーワード:
高齢者
,
主観的幸福感
,
生きがい
,
elderly people
,
subjective well-being
,
Purpose in life
Keyword:
高齢者
,
主観的幸福感
,
生きがい
,
elderly people
,
subjective well-being
,
Purpose in life
pp.39-47
発行日 2001年6月30日
Published Date 2001/6/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7009200163
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Ⅰ.緒言
メンタル・ケアは健康のあらゆる段階で、また、すべての人生周期における対象者に配慮されるべきであるが、高齢者のケアでは特に、対象者の満足感・幸福感の向上という主観的・感覚的な指標がケア評価の一部として意味あるものと考えられる。
Erikson1)による老年期の発達課題「統合性対絶望・嫌悪」や、Cummings・Henryによる「離脱理論」(1961)から言うと、老人の退避は押しつけられた過程ではなく、生来的な発達過程とされている2)。人は、たとえ様々な喪失を体験しても、なお人生の意味を考え続けているものであり、人生の最後まで主観的な満足感や幸福感を求めている。そして、このsuccessful aging(良い老後を送る)とよばれる肯定的・積極的に「老い」をとらえることによって、人は安定した精神を維持することができる。
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