Japanese
English
研究ノート
施設で排泄援助を受ける高齢者の体験
Experience of Elderly People Receiving Excretion Assistance in the Care Facilities
吉本 和樹
1
Kazuki Yoshimoto
1
1元神戸市看護大学大学院看護学研究科
1Graduate Student at School of Nursing, Kobe City College of Nursing
キーワード:
施設
,
排泄援助
,
高齢者
,
体験
,
care facilities
,
excretion assistance
,
elderly people
,
experience
Keyword:
施設
,
排泄援助
,
高齢者
,
体験
,
care facilities
,
excretion assistance
,
elderly people
,
experience
pp.57-64
発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
本研究の目的は,排泄援助を必要とする高齢者が援助スタッフから受けている排泄援助に対してどのように受け止めているのかを明らかすることである.11名の協力者に対して半構成的面接を行ったものを逐語録化し,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチの手法を参考に分析を行った結果,7つのカテゴリーが見出され,以下のことが明らかになった.施設で援助を必要とする高齢者は,排泄援助を【頼みにくい】状況にあるが,【したたかに対応する】【他者をいたわる】ことで【自己を保つ】ことができる.一方で提供される排泄援助に対して【耐えられない】という感情が出現するのだが,施設のルールに従うしかないので【我慢して受け入れる】ようになる.さらに《おむつのほうが慣れたら楽》というように,【過剰に適応する】態度をとってしまうことがある.この結果から,病院や施設の援助スタッフは,排泄援助を受ける高齢者の心情に目を向け,個別性の高い排泄援助を提供する必要があることが示唆された.
Copyright © 2008, Japan Academy of Gerontological Nursing All rights reserved.