養護老人ホームにおける運動非実践者の実態調査

Investigation of Physically Inactive Elderly Residing in Nursing Home

Ⅰ．緒言

　高齢者は加齢に伴い心身の機能低下をきたすことは不可避である。しかし、高齢者であっても本人の志があれば、健康的な生活を送り、社会に貢献できる偉業を成し遂げることも可能である。また、健康認識が高く、日常生活の中で身体活動をする機会を取り入れたり、散歩などの運動を日課とした生活を心がけている高齢者は、表情も明るく生き生きと過ごしている。先行研究（辻　一郎，2005）においても、高齢者の運動による効果は明らかになっており、年齢に関係なく健康づくりのための運動をすることで、身体的・精神的・社会的変化がみられるとされている（竹島伸生，2002）。

　近年高齢者の健康に対する関心も高まってきており、各地域で催されるスポーツ教室などでは、高齢者を対象とした企画が多くなってきている。