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はじめに
兵庫県内では平成21年8月9日〜10日明け方にかけて播磨、但馬、丹波で雷を伴った激しい雨となった。千種川、佐用川、円山川など、県内の11河川で洪水の危険がある避難判断水位(特別警戒水位)を超え、水が道路にあふれた。
8月9日 神戸海洋気象台などによると、佐用町で21時50分までの24時間雨量が302ミリに達した。多数の民家が床上浸水し、約7000世帯に避難指示が出た。21時42分、陸上自衛隊3特科隊(姫路市)に災害派遣を要請。兵庫県警も機動隊員約80人を同町に派遣。佐用町では、20時20分から1時間の雨量が観測史上最高の87ミリを記録した。
8月10日正午現在佐用町で増水、川に流されるなどして4歳の女児を含む10人が死亡。2世帯が半壊、258世帯が床上浸水、364世帯が床下浸水。10時45分現在、佐用町と朝来、穴栗市の約1万世帯、約3万3千人に避難勧告が出された。陸上自衛隊第3特科隊や県警機動隊などが救助活動に当たっている。死亡11名(男性6名女性5名)住民は小学校や公民館に避難しているが、土砂崩れの被害も相次いでいる。首相官邸危機管理センターに情報連絡室を設置。
高齢者率の高い佐用町であり、要援護者のケアの需要は激増することが予測されたため、被災地に先遣隊としての調査の必要性を著者らは感じた。この度の調査は日本災害看護学会理事長、副理事長及びネットワーク活動委員長に連絡し、了解を得た上で著者(黒田)は被災地に日本災害看護学会ネットワーク活動のメンバーである漆崎氏と共に現状把握を行ったので、ここに報告する。
あの日から3ヶ月たった今も死亡者18名内2名行方不明がいる。8月10日現地へ介入する。
8月9日・・・災害救助法適用
<ライフラインへの影響>
・佐用町で2600軒停電
・9日深夜から穴栗市電話680回線不通
・佐用町 浄水場のポンプ故障 断水が広がっている
・JR西日本 姫新線 播磨新宮〜津山間運休
・播但線 寺前〜和田山間が運休 上郡〜大原間不通
・中国自動車道 のぼり:津山〜山﨑間、くだり:福崎〜津山間で通行止め
・姫神バス 佐用〜中山間、佐用〜船越間、佐用〜上郡間の3路線は始発 から運休
・全但バス 日和山豊岡病院線 但馬農高線 若杉横行線の運休(8月10 日10時現在)
明け方にかけて播磨、但馬、丹波で雷を伴った激しい雨となった。報道機関から流される情報に看護ニーズの増大を予測したため、「先遣隊」として介入する。
「先遣隊派遣」については、本学会誌第10巻2号(平成20年12月号)に述べられているので、本稿では省略する。
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