Japanese
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【巻頭言】
日本の看護職としての世界における災害看護に関する課題
Issues on disaster nursing as Japanese nursing profession in the world
山本 あい子
pp.1
発行日 2012年5月31日
Published Date 2012/5/31
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7008200037
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- Abstract 文献概要
平成24年、今年の桜はいつになく美しく、青空のもとで華やかに、また夜空の中で妖しく咲き誇っていました。このように美しい桜を見るのは、初めてのような気がして戸惑いました。昨年を振り返ると、桜の季節を楽しむこともなく、無我夢中で色のない日々を過ごしていたように思います。同じように過ごされた方も多かったのではないでしょうか。
東日本大震災の経験を通して、私達は多くの人々に支えられ、孤立することなくこの困難に立ち向かっていることを痛感しています。また、今までの前提がまったく通用しない災害が存在することも学んでいます。これら多くの学びを踏まえて、次のような課題が挙げられるだろうと思います。①日本の看護界が持っている災害時支援ナース派遣体制に加えて、物流や通信技術等を含めた他分野とのネットワークの構築、②災害時の人々の健康問題/課題を明確にし、データベースを構築すること、③必要物資やより専門的な能力を持つ看護師の派遣を可能にするための情報集積・発信体制とネットワークの構築、④既存の知識の検証と新たな知識の統合、⑤災害看護リーダーやコーディネーター等の人材育成の必要性、そして、⑥各学術集会の開催時には、災害関連のセッションを必ず設け、知識・情報発信を続け、災害に対する人々の意識の活性化を継続させること等です。日本災害看護学会は、災害看護に特化した学会組織ですが、看護系の全学会にも「災害と看護」に関する取り組みが求められています。
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