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2011年3月11日に日本における観測史上最大の規模、マグニチュード(Mw)9.0を記録した東北地方太平洋地震は、震源域が南北約500km、東西約200kmと広範であり、この地震により発生した大津波、および地震と津波による影響を受けた東京電力福島第一原子力発電所の原子力事故を引き起こし、東日本大震災に発展した。死者15,843人、行方不明者3,469人(2011年12月22日現在)、建築物の全壊・半壊は35万戸以上、ピーク時の避難者は40万人以上という未曽有の被災をもたらしたこの大震災は、この日本列島に住む我々を根幹から揺るがすものとなりました。震災直後からの被災地の方々の筆舌に尽くし難い悲嘆と苦悩を思うと、そして今なお続く生活の厳しさを思うと、どのような励ましの言葉も虚しく思われます。同時に被災地の皆様と支援を続けていらっしゃる皆様の前を向かれる真摯な眼差しと笑顔を拝見するたびに心から感動を覚えます。時は容赦なく流れて、間もなく1年目を迎えますが、報道されない声なき声、不自由ななかでのひたむきな日々の生活の営み、消え去らない痛みに会員の皆様とともにいつまでも思いを馳せていきたいと思います。
日本災害看護学会は、大震災の発生当日から先遣隊の方々と山田覚前理事長との連携のもと、すばやく専門的な活動を開始されました。刻々と見えてきた被災地の方々、看護職の方々のニーズがホームページで掲載されました。募金活動も開始され、国内外の多くの方々から寄付が寄せられました。被災地の人々のニーズは刻々と変化するので、フォローアップの調査もされました。先遣隊の皆様、前役員の皆様に敬意を表します。1995年の阪神淡路大震災以来、次々と日本列島を襲う災害の度に、災害看護のありかたを模索してきましたが、学会としては珍しい実働隊である先遣隊や募金制度が、みごとに生かされ、さらなる発展に多くの示唆を得たと思われます。
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