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空洞化するWHO—ブルントラント事務局体制の試練
迫井 正深
1
1厚生労働省大臣官房国際課
pp.673-676
発行日 2002年9月15日
Published Date 2002/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902812
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世界保健機関(WHO)は「すべての人々が可能な最高の健康水準に到達すること」(憲章第1条)を目的とした191の加盟国(2002年7月現在)を擁する国連専門機関であり,国内外の保健医療政策に大きな影響力を持つ重要な組織である.日本人の中島前事務局長を引き継いだ現事務局長Dr.Gro Halem Brundtland(ブルントラント:元ノルウェー首相)の就任以来,WHOはさまざまな挑戦的取り組みを打ち出し,大きな注目を集めてきた.
この間,事務局の組織改革,国際社会の中心的課題として保健問題を位置付けたことなどで一定の評価を得た一方,WHOの在り方として,組織の根幹を揺るがしかねない重大な局面を向かえつつあることは,公衆衛生専門家の間でも意外に知られていない.
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