Japanese
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巻頭言
21世紀における日本がん看護学会の展望
Perspectives in 21st Century of Japanese Society of Cancer Nursing
佐藤 禮子
1,2
Reiko SATO
1,2
1日本がん看護学会
2千葉大学看護学部
2Chiba University School of Nursing
pp.1-2
発行日 1998年10月20日
Published Date 1998/10/20
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日本は,世界でも有数の長寿を誇る国であると同時に,真に高齢化社会として多くの問題を抱える国である.長寿であることは誠に喜ばしいことではあるが,どのような状態で長い人生の最後を過ごすかが最も重要な課題であり,大きな社会問題である.
我が国の死因の第1は,1981年以来がんであり,21世紀に至っても恐らく変わらないと予測される.つまり,誰にでもがんとの出会いが用意されているということである.もしそうであるなら,がんと共に生きる人生が,平坦な人生に色どりを与え,自分の人生は意味のある人生であったと思えるような生き方ができるとよい,いやそうありたいと願うのは,全ての人々に共通する願望であるだろう.日本がん看護学会は,大げさな言い方をするならば,このような人々の顕在的,あるいは潜在的な願望に応えるべく誕生し,今に至っていると言える.21世紀を眼前にして,改めてその責任の重さを痛感せざるを得ない.
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