特集 公衆衛生活動の過去・現在・未来
20世紀から21世紀へ
大谷 藤郎
1,2
1藤楓協会
2国際医療福祉大学
pp.894-900
発行日 1999年11月10日
Published Date 1999/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662902066
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公衆衛生を私はどう理解しているか—私の基本姿勢
公衆衛生とは地域におけるすべての人々に関して格差のない健康を確保するために社会的諸手段を用いて実践する科学であり技術である。
したがって公衆衛生は医学や関連諸科学の領域はもとより政治,行政,教育,産業など社会のあらゆる領域に関係するが,なかでも政治,行政の果たす役割がきわめて大きい。同じような意味で公衆衛生に従事する人は医師,保健婦,その他保健・医療・福祉従事者,工学者,環境学者,教育者などさまざまな職種が学際的に関与する。またそのサービスも対人サービスのみならず対物サービスも不可欠であり,人間とその周辺すべてを対象としている。
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