Japanese
English
総説
化学療法による認知機能障害の有病率とQOLへの影響に関するシステマティックレビュー
Prevalence and Impact on QOL of Chemotherapy Related Cognitive Impairment: Systematic Review
田邉 沙央里
1
,
小松 浩子
2
,
矢ヶ崎 香
3
Saori Tanabe
1
,
Hiroko Komatsu
2
,
Kaori Yagasaki
3
1慶應義塾大学病院
2日本赤十字九州国際看護大学
3慶應義塾大学看護医療学部
1Nursing Department, Keio University Hospital
キーワード:
認知機能低下
,
薬物療法
,
がん
,
生活の質
,
システマティックレビュー
,
cognitive impairment
,
drug therapy
,
cancer
,
quality of life
,
systematic review
Keyword:
認知機能低下
,
薬物療法
,
がん
,
生活の質
,
システマティックレビュー
,
cognitive impairment
,
drug therapy
,
cancer
,
quality of life
,
systematic review
pp.121-131
発行日 2023年12月31日
Published Date 2023/12/31
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
Ⅰ.緒言
がん治療に関連する副作用の1つに認知機能障害(Cancer-Related Cognitive Impairment,以下,CRCI)があり1)2),特に化学療法後の研究が蓄積されており,‘Chemo-brain'や‘Chemofog'などの多様な言葉で表現されている3).CRCIは認知機能(注意力,集中力,遂行機能,情報処理速度,言語力,視空間技能,精神運動能力,学習能力,記憶力など,健常な脳が担う領域別機能)の1つ以上の機能の低下4)といわれている.
CRCIを抱える患者は短期記憶の低下や集中力の欠如や混乱した状態などを経験し5),自尊心,自信,社会的関係に影響する6)ためCRCIは患者の生活の質(以下QOL)に影響する可能性がある7).CRCIを抱える患者はそのことに恥ずかしさをいだき8),時に隠すことなども報告され9),患者が抱えている症状は医療者に見過ごされやすく,医療者が適切に把握できているとは言い難い.言い換えればCRCIの症状は多様で患者本人以外にはわかりにくい可能性がある10).
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