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Ⅰ.緒言・目的
非ホジキンリンパ腫(non-Hodgkin lymphoma: 以下,NHL)は罹患数が553,010人(2022年度)であり,すべてのがんのなかで10番目,造血器腫瘍のなかで最も多い疾患である1).NHLは多数の病型分類があり2),臨床分類では,急速に進行し,初期治療により治癒する可能性がある一方で,再発すると予後が劇的に短くなるアグレッシブリンパ腫(aggressive non-Hodgkin lymphoma:以下,aNHL)と,緩徐に進行し,初期治療の感受性は良好だが,通常治癒せず再発と寛解を繰り返し,慢性的な経過を辿るインドレントリンパ腫(indolentnon-Hodgkin lymphoma: 以下,iNHL)に分けられる.一部のiNHL では症状がない場合に無治療経過観察の適応となることがある一方,再発・難治性のNHL は化学療法だけでなく造血幹細胞移植やキメラ抗原受容体T細胞療法(chimeric antigen receptor T-cell therapy: 以下,CAR-T細胞療法)などの強度が強い治療を行うこともあり2),患者が辿る経過は病型や病期,治療により多様である.
NHL患者は身体機能,食欲不振,活力,経済的な問題をかかえており3),初期治療後に長期間が経過した後も一般人口と比較して health-related quality of life(以下,HRQOL)が低いことが報告されている4).HRQOLは,健康,病気,治療が影響を与えるQOLであり5),患者の主観的なもので,多面的で身体的,機能的,社会的,精神的な領域を含む概念である6).近年,NHL 患者では,造血幹細胞移植7)などの治療,倦怠感4),末梢神経障害8)などの治療後の症状とHRQOLの関連について研究が行われ,治療後の患者はHRQOLに影響を及ぼす複数の要因をかかえていることが予測される.しかしながら,研究対象の患者の病型分類,臨床分類は文献によって異なり,HRQOLの影響要因は明確でない.また,NHL に対する新規治療の選択肢の拡大9)10)に伴い,CAR-T細胞療法によるサイトカイン放出症候群や免疫細胞関連神経毒性症候群11)など患者のHRQOL に影響を及ぼす可能性がある要因は増加している.一方,化学療法によるHRQOLへの負の影響を指摘したシステマティックレビュー3)から10年以上が経過しているが,HRQOLの影響要因の整理は更新されていない.
経過が多様な治療後のNHL患者において,支援が必要な対象に介入するため,HRQOLに影響する要因を把握することは不可欠と考える.したがって,本研究は,初期治療後のNHL患者に関する既存の知見を整理,要約し,HRQOLの影響要因を明らかにすることを目的とした.
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