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資料
がん患者が病気に関連した事柄を子どもに伝えることに関する文献レビュー
Cancer Patients Communicating with Their children Regarding Their Illness:A Literature Review
椎野 育恵
1,2
,
鈴木 久美
3
Ikue Shiino
1,2
,
Kumi Suzuki
3
1大阪医科大学大学院看護学研究科博士前期課程
2淀川キリスト教病院看護部
3大阪医科大学看護学部
キーワード:
がん患者
,
子ども
,
コミュニケーション
,
文献レビュー
,
cancer patient
,
children
,
communicate
,
literature review
Keyword:
がん患者
,
子ども
,
コミュニケーション
,
文献レビュー
,
cancer patient
,
children
,
communicate
,
literature review
pp.21-28
発行日 2019年12月31日
Published Date 2019/12/31
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
Ⅰ.研究背景と目的
日本において,1年間で新たにがんに罹患する患者で,18歳未満の子どもがいる人は56,143名であり,その子どもの人数は,87,017名と推定されている1).それらの患者の平均年齢は,男性46.6歳,女性43.7歳で,がん種別では,乳がんが40.1%と一番多い1).また,大腸がん,乳がん,婦人科がんの罹患年齢は,40歳代から増加傾向にあることや2),昨今の晩婚化で出産の高齢化が進んでいる現状から3),18歳未満の子どもをもつがん患者は,今後も増えることが予測される.40歳代は壮年期にあたるが,この年代でがんに罹患すると,家庭内における父親・母親の役割を果たすことが難しくなり,家族間の役割変更を余儀なくされることから,家族に大きな影響を及ぼすといわれている4).また,がん患者と子どもの関係においても,患者の病気が子どもの発達課題に影響を及ぼすことや子どもへの病気についての説明が課題として挙げられている4).
がん患者の子どもが親の病気を知らされていない場合,親の様子や家庭内の雰囲気が今までと違うことに気づき,親の体調が悪いのは自分のせいではないかと考え,罪悪感や悲しみ,孤独の感情が強まるといわれている5).また,がん患者が子どもにがんを伝える時期が遅いほど,子どものストレスが高いことが報告されており6),患者が病気を伝える時期の違いにより,子どもの精神面に及ぼす影響が異なることが考えられる.
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