Japanese
English
総説
認知症高齢者に対する回想法の意義と有効性—海外文献を通して
Literature Review on the Significance and Effect of Reminiscence on the Elderly with Dementia
田髙 悦子
1
,
金川 克子
2
,
天津 栄子
2
,
佐藤 弘美
2
,
酒井 郁子
3
,
細川 淳子
2
,
高道 香織
2
,
伊藤 麻美子
2
Etsuko Tadaka
1
,
Katsuko Kanagawa
2
,
Eiko Amatu
2
,
Hiromi Sato
2
,
Ikuko Sakai
3
,
Junko Hosokawa
2
,
Kaori Takamichi
2
,
Mamiko Ito
2
1東京大学大学院医学系研究科健康科学・看護学専攻
2石川県立看護大学看護学部
3千葉大学大学院看護学系研究科
1Division of Health Sciences and Nursing, Graduate School of Medicine, The University of Tokyo
2Faculty of Nursing, Ishikawa Prefectural Nursing University
3Graduate School of Nursing, Chiba University
キーワード:
回想法
,
認知症高齢者
,
文献レビュー
,
reminiscence
,
the elderly with dementia
,
literature review
Keyword:
回想法
,
認知症高齢者
,
文献レビュー
,
reminiscence
,
the elderly with dementia
,
literature review
pp.56-63
発行日 2005年3月15日
Published Date 2005/3/15
- 販売していません
- Abstract 文献概要
- 参考文献 Reference
本稿は,認知症高齢者を対象とする回想法の有効性と意義について,最新10年間における海外の一定水準の研究から多面的に知見を集めて総合的に概説し,考察したものである.回想法の有効性については,認知症高齢者の心理的機能(抑うつ)の緩和,感情的機能(情緒的雰囲気)の改善,社会的機能(対人交流)の向上,認知的機能(見当識)の改善,quality momentsの増強(well-beingの向上)を示唆し,回想法の意義については,<残存機能の活用><ケアの受け手と担い手における相互作用の享受><次世代への時代の伝承><人生の統合(過去・現在の受容,将来・未来への展望)促進><グループ(コミュニティ)への帰属・相互交流><(回想自体の)心地よく楽しい活動・経験としての享受>を提示した.今後は,これらも基盤としながら,高齢者に対する回想法の理論と実践の体系化を図ることが必要である.
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