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第31回日本看護科学学会学術集会 教育講演Ⅲ
日常性の中で尊厳を守る看護倫理
Role of Nursing Ethics to Protect Dignity of Persons in Their Daily Life
片田 範子
1
1兵庫県立大学
pp.84-86
発行日 2012年6月20日
Published Date 2012/6/20
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1.日本看護科学学会と看護倫理の歩み
表1に示しているのは日本看護科学学会の学術集会で企画された看護倫理関連のテーマである.日本看護科学学会では設立当初からシンポジウムの一つとして倫理的課題を取り上げている.第1回の看護をささえるものとしての倫理の位置づけであった.その後第16回ではアドボカシーとしての看護の役割,第17回では看護の統合機能としての位置づけ,第20回からは交流集会を使っての看護倫理検討委員会の倫理的課題への対応が見られ始める.2001年第21回の学会は全体のテーマが倫理であった.
看護倫理検討委員会が常設的に委員会として認められたのは1990年の総会の時であった.看護倫理検討委員会は看護倫理に関する実態を検証し,その検証結果から何が必要なのか,科学者としての集団として声にすることを目指している.表2 に示しているのは2006年に発表された調査も含めているが,おおむね2000年までの看護科学学会の倫理検討委員会が行ってきたことであり,学会が判断した社会的課題の調査結果やそれを基にして作成されたものである.2000年に至るまでの時期は臨床での倫理的感受性を活性化するための啓発活動を行うことに躊躇していた時期でもある.患者の権利・自己決定・説明と同意という言葉が使われ始めるが,臨床の現場では,それらを「理想論」としか受け止められない状況が存在していた
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