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第31回日本看護科学学会学術集会 教育講演Ⅱ
社会のニーズに対応する看護の開拓―日本難病看護学会の活動を通して
Pioneering Nursing That Responds to Social Needs: Activities of the Japan Intractable Illness Nursing Society
川村 佐和子
1
1聖隷クリストファー大学
pp.82-83
発行日 2012年6月20日
Published Date 2012/6/20
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- Abstract 文献概要
半世紀前には,神経難病に対応する専門病院がなく,療養者は診断もつかず,重度な身体障害や嚥下障害,呼吸障害に苦しみつつ,亡くなっており,家族も苦しみをともにし,偏見にも悩んでいた.医療・保健・福祉・教育からも阻害され,その恩恵を受けていなかった.このような療養者の生活実態を知った看護職が難病療養者とともに運動し,難病対策要綱(1972年)が制定された.日本難病看護学会は1973年に木下安子(当時:東京都神経科学総合研究所看護学研究員)を中心に,在宅看護研究会として開催し,1997年に改名して,学術会議に登録した学会である.学会員の構成には特徴があり,病院看護師が55.1%,訪問看護師が29.5%,保健師が13.9%,そして,学会設立当初から,療養者自身,家族が1.5%程度参加している.学術集会では人工呼吸器装着者も毎回,5人程度が参加し,療養者自身も研究報告を行い,看護職は療養者を面前に発表するため,当初から研究倫理を強く認識し,問題の所在や解決のための方策についての議論は共有化されている.
当初の研究課題は,療養者の療養生活実態と在宅療養支援のための看護法,難病対策要綱(1972年)による支援の普及と充実などがある.
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