日本看護診断学会第2回学術大会報告 実践にいかす看護診断
【招待講演】
1.看護実践への看護診断の導入
ライダー島崎 玲子
2
Elizabeth Hiltunen
1
1ハーバード大学公衆衛生学部保健社会行動研究科
2東海大学健康科学部
pp.12-19
発行日 1997年3月15日
Published Date 1997/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7004100401
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個別的で継続性のあるケアをするためには,トータルな人間としての患者についての知識をお互いに伝え理解することが必要ですが,これはナースが使う言葉と,組織化した構造がなければなかなか難しいことです.ナースは臨床的な判断と意思決定を行いますが,これを必ずとらえ,記録し,そして伝える必要があります.患者の状態は常に変化しています.これに対して,ナースは独立した判断をすることが要求されます.専門職看護は,臨床的な判断なしではありえません.看護診断は,患者についての考え方と判断を伝え,そしてナースの役割と専門知識を十分に生かしたケアの計画を立てるうえで,非常に重要な鍵となります.看護診断を利用するうえでの大きな課題は,それを役立つものにすること,それを成功させること,そして個々のケースの看護のやり方に統合していくことです.ベッドサイドで働くナースは,患者についての全体的なニーズを把握するには一番よい立場にあります.その知識をはっきりした形で他の人に伝えていかなければなりません.そうすることで,個々の患者のニーズに合った,効果的な看護ケアを提供することができるのです.
今回の発表の目的は,この看護診断を個々のナースが実践のなかでどのように活用していくか,その方策についてお話することです.この問題にふれる前に,まず看護診断についての標準的な定義を説明することが重要だと思います.
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