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日本看護診断学会第13回学術大会報告 看護の専門性を活かす看護診断
【招聘講演】
3.がん看護専門領域の看護診断
Nursing Diagnosis in Oncology Nursing
Dickon Weir-Hughes
1,2
,
黒田 裕子
3
Dickon Weir-Hughes
1,2
1英国Royal Marsden Hospital
2NANDA International
3北里大学看護学部
2NANDA International
3School of Nursing, Kitasato University
pp.71-74
発行日 2008年3月15日
Published Date 2008/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7004100278
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はじめに
がん看護は,過去20年間で非常に発展してきている.この発展は,がん治療の技術的,医学的,そして科学的な革新に,ある程度よるものであり,治療可能ながんの医学診断によって,人々の人生期待は急速に高められてきている.しかしながら,国際的にみても,がん看護における専門職的リーダシップと発展は,看護の他のすべての専門領域にも匹敵していないといえよう.とはいえ,がん看護師は,がん治療の副作用,さらに疾患による症状を体験している人々に対するケアリングのエビデンスベースを研究することや開発することに意欲をもっている.副作用で最も注目すべきは,嘔気,疼痛,口腔粘膜炎,息切れ,疲労感である.専門看護師のような上級実践がん看護師は,このような問題を自律して管理する看護師の役割を開発することに意欲をもっている.とりわけ,英国や米国の医師はこのような役割を開発する看護師を熱心に支援している.
ところで,個々の実在型看護診断は定義に基づいており,疾患過程によって定められるものではなく,疾患過程に対する人間の反応である.がんケアに使用できる明確に書かれたNANDA-Iに採択されている看護診断はいまのところ存在していない.しかし,昨今,がん看護師はがん患者の特有なニーズだと認める看護診断があることに気づいており,がん患者群に特定される診断指標は存在している.たとえば疼痛のあるがん患者には,NANDA-Iの〈急性疼痛〉,もしくは〈慢性疼痛〉のなかには含まれていない特定の診断指標が観察される場合がある.
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