日本看護診断学会第11回学術大会報告 定着させようNANDA看護診断
【ワークショップ】
1.ウェルネス型看護診断と母性看護―どう教えるか・どう活用するか
菊池 敦子
1
,
青木 康子
2,3
Atsuko Kikuchi
1
,
Yasuko Aoki
2,3
1慶應義塾大学医学部附属病院
2桐生短期大学
3日本助産診断・実践研究会
1Keio University
2Kiryu Junior College
pp.134-135
発行日 2006年3月15日
Published Date 2006/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.7004100228
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ワークショップⅠにおいて,前半は「母性看護と看護診断」のテーマで日本助産診断・実践研究会会長青木康子氏による基調講演を行い,後半は出席者全員によるグループワークを行った.母性看護活動は,妊娠・出産などの生理的な営みやライフサイクルに応じた性成熟への支援であり,その根拠となる診断は典型的なウェルネス型看護診断である.ウェルネス型看護診断(wellness nursing diagnosis)とは,より高い状態へ促進される準備状態にある個人・家族・地域社会のウェルネス(健康)のレベルに対する人間の反応を記述するものである.
日本助産診断・実践研究会では,平成10年の創立以来,ウェルネス型看護診断の1つとしてマタニティサイクルの診断類型・診断名・診断指標の開発を行ってきた.その開発の過程のなかで,ウェルネス型看護診断の考え方について,看護基礎教育の1つの柱である母性看護学で教授することの必要性を実感してきた.また,母性看護学教員の方々からは,看護学生の問題志向に傾きやすい状況にどのように対応したらよいか,臨床助産師の方々からは,電子カルテの取り入れにあたって実在型看護診断中心の診断では対応できずに困惑しているという声がよく聞かれていた.今回の基調講演は,これらの状況への対応を考慮したものであった.
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